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2017/09/10 16:55





発酵するか腐るかは、長年のあいだ人類にとっての死活問題でした。



ただでさえ潤沢でない食べ物が、腐ってダメになってしまえば飢えてしまう。

 

あるいは・・・


もし
うっかり腐ったものを食べてしまうと、お腹を壊したり病気になったり、最悪死に至ることもある。


ものを腐らせないことは、生き延びることと同義だったのです。





腐敗を防ぐ4つの知恵

ものを腐らせないために、冷蔵技術も防腐剤もない人類はどんな知恵を育んできたのか。

ざっくり分けると、


・発酵菌バリヤー
・塩・砂糖漬け
・PH値(酸性・アルカリ生)のコントロール
・高濃度のアルコール


の4つ。これら全てに発酵技術が深く関わっています。

それでは1個つづ解説していきましょう。


◆発酵バリヤー
ワインなどは数日で腐ってしまうブドウジュースの中で酵母が一定数繁殖すると、酵母がつくる栄養成分や酵素のチカラによって、腐敗をもたらす微生物を締め出してしまいます。


◆塩・砂糖漬け
保存食の基本は、塩漬け。塩分濃度を10%くらいまで高めると、ほとんどの生物の細胞膜が浸透圧の急激な変化によって壊れてしまいます。
(ナメクジに塩をかけると溶ける原理といっしょ)

ナメクジも微生物も細胞の基本構造はいっしょなので、雑菌を防ぐのに塩が有効です。

「あれ?味噌も塩をいっぱい入れるよね?」と気づいた人は、ご明察!!
味噌を発酵させる微生物たちは、例外的に「塩に強い発酵菌」なのです。

日本は塩に強い発酵菌が多く、同時に食べ物を腐らせるバイ菌も多かったので、必然的に塩漬け文化が発達しました。

ちなみに砂糖漬けも同じ原理。ジャムが保存食なのもやはり、「浸透圧の変化によってバイ菌の侵入を防ぐ」という発想なのでした。


◆Ph値のコントロール
通常、食べ物や液体の環境は中性(PH値6.0~8.0くらい)
多くの微生物はこの中性環境で活動するようにできている。
・・・・ということは、強いアルカリ性や酸性に環境を傾けると、雑菌の侵入を防ぐことができます。

酢漬け(ピクルス)にすると強酸生、灰で燻製にすると強アルカリ性になるので、腐敗を防ぐことができます。

ちなみにヨーグルトをつくる乳酸菌は酸性、麹菌はアルカリ性に耐える発酵菌です。




◆高濃度アルコール
アルコール度数20%以上の環境では、ほとんどの微生物が死んでしまいます。
沖縄では味噌を仕込むときに樽を泡盛で拭いたりしますが、これはお家でよくやるアルコール消毒と同じ原理。

甘~いみりんを長期熟成できるのも、中に含まれるアルコールのおかげです。



この4つは、発酵食品において複合的に働くこともしばしば。

味噌はまず大豆を塩漬けにして、そこから塩に強い乳酸菌が繁殖、PH値が下がり、さらに麹菌や酵母菌なども加わって雑菌撃退バリヤーを作ります。


誰でも気軽に手前味噌を仕込む文化がこんなにも広まっているのは、
実は「テキトーにやっても失敗しない」という理由もあるのです。





【保存性】の原理の違い

発酵食品の【保存性=腐らない】と、コンビニで売っている食品」の【保存性】はちょっと原理が違います。

前者の原理は、発酵菌を呼び込むと同時に腐敗の原因となる微生物を侵入させないこと。

後者の原理は化学的な処置を施して一切の微生物が入らないようにし、成分の変質を遅らせること。


つまり、時計の針を一時的に止めるということです。





前者の発酵食品は、腐らないけれど時計の針は進んでいるので風味が変わり続けていきます。

時を止めるのか、時を味方につけるのか。

同じ【保存性】でも基本的な概念はずいぶん違うのです。




参考書籍「発酵文化人類学」



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